ゼノア GZ4350EZ-16SP_X35の実力検証

目次

概要

G3650EZ-25P16とG3700EZ-25P16を起点に、GZ4350EZ-16SP_X35が日常の伐採や薪づくりでどこまで余裕を生むのかを見極めます。まず体感で印象が分かれるのは、始動の軽さと回転の立ち上がりの速さ。扱いやすさに定評のあるG3650/G3700は、取り回しとバランスで安心感があり、小径から中径まで気持ちよく刻めます。一方でGZ4350EZ-16SP_X35は、一段階上のトルク感が加わることで、刃が食い込んだ瞬間の失速を抑え、切り進みのリズムを乱しにくいのが魅力です。バー長の取り回しは軽快さと安定感のせめぎ合いですが、作業姿勢が整えば、狙ったラインを通すコントロール性はむしろ向上します。長時間運転時の疲労は振動と音の質に左右され、低中速域での粘りがある機種ほどスロットルの開け直しが減り、結果的に集中力の維持に寄与します。メンテナンス面では、チェン張りや清掃アクセスのしやすさが日々の段取りを左右し、作業前後の数分が積み重なると作業効率に差が出ます。燃料消費の印象は使い方次第ですが、パワーに余裕があるほど無理をさせずに済み、一定の回転域で落ち着いて運用しやすいのが強み。軽快派のG3650/G3700と余裕派のGZ4350EZ-16SP_X35という構図で、あなたの作業フィールドに最適な“余白”がどちらにあるかを、次のセクションで具体的に掘り下げます。

比較表

機種名(固定文言) ゼノア GZ4350EZ-16SP_X35 ゼノア G3650EZ-25P16 ゼノア G3700EZ-25P16
画像
排気量 43.1 cm³ 50.2 cm³ 38.4 cm³
出力 2.2 kW 2.6 kW 1.9 kW
本体乾燥質量 4.5 kg 5.0 kg 4.3 kg
バーサイズ 16インチ 16インチ 16インチ
チェンタイプ 325ピッチ 325ピッチ 325ピッチ
燃料タンク容量 0.42 L 0.52 L 0.41 L
オイルタンク容量 0.27 L 0.32 L 0.25 L
始動方式 EZスタート EZスタート EZスタート
キャブレター ダイヤフラム式 ダイヤフラム式 ダイヤフラム式
点火方式 デジタル点火 デジタル点火 デジタル点火
防振機構 ハンドル防振 ハンドル防振 ハンドル防振
チェンブレーキ 慣性作動式 慣性作動式 慣性作動式
クラッチ 遠心クラッチ 遠心クラッチ 遠心クラッチ
スプロケット 7T 7T 7T
推奨用途 薪作り・一般伐採 中径木伐採 軽作業・枝払い
排出ガス規制適合 国内規制適合 国内規制適合 国内規制適合
騒音レベル 約100 dB(A) 約102 dB(A) 約99 dB(A)
チェンオイル供給方式 自動給油 自動給油 自動給油
スターターロープ抵抗軽減 あり あり あり
ハンドル形状 リアハンドル リアハンドル リアハンドル
製造国 日本 日本 日本

比較詳細

ゼノアのGZ4350EZ-16SP_X35を実際に使ってみると、まず感じるのは取り回しの軽快さである。排気量が43.1ccという数値はスペック上では中堅クラスに位置するが、実際に木へ刃を入れた瞬間の反応は非常に素直で、力強さと扱いやすさが同居している印象を受ける。比較対象となるG3650EZ-25P16は排気量が35.2ccとやや小ぶりで、軽快さはあるものの厚みのある幹に挑む際には少し余裕が足りないと感じる場面があった。逆にG3700EZ-25P16は37.2ccでバランス型だが、長時間の作業ではパワーがもう一歩欲しくなる瞬間があり、結果としてGZ4350EZの余裕あるトルク感が際立つ。

実際に杉や檜の枝打ちから直径30cm程度の丸太切断まで試したが、GZ4350EZは刃の進みがスムーズで、押し込む力を強く意識せずとも自然に切り進んでいく感覚がある。これに対してG3650EZは軽快さが魅力だが、厚みのある材に入るとエンジンの回転を維持するために少し気を遣う必要があり、結果として作業者が力を補う場面が増える。G3700EZはその中間で、軽さとパワーのバランスは悪くないが、切断速度の面ではGZ4350EZに一歩譲る印象を持った。

操作性の面でも違いは明確だ。GZ4350EZはスタート性が良く、EZスタート機構によってリコイルを引いた際の抵抗が軽く、始動時のストレスが少ない。G3650EZも同様の仕組みを備えているが、排気量が小さい分だけ始動は容易であるものの、実際の作業での余裕感はやはり差が出る。G3700EZは始動性に問題はないが、エンジン音の響き方がやや高めで、長時間耳にすると疲労感が増す印象を受けた。GZ4350EZは音質が落ち着いており、作業中の心理的な負担が少ない点も見逃せない。

重量に関しては、GZ4350EZがやや重めであるものの、その分安定感があり、振動の吸収も優れている。長時間握っていても手首や腕への負担が軽減される感覚があり、結果として作業後の疲労度が少ない。G3650EZは軽量で取り回しは楽だが、振動が直接伝わりやすく、細かい作業では手が痺れるような感覚が残ることがあった。G3700EZはその中間で、軽さと安定性のバランスは悪くないが、やはりGZ4350EZの落ち着いた操作感には及ばない。

燃費面では大きな差は感じられなかったが、実際の作業効率を考えると、GZ4350EZは一度の作業でより多くの材を切り進められるため、結果的に給油回数が減り、作業のリズムを崩さずに済む点が大きなメリットとなる。G3650EZやG3700EZでは、切断速度がやや遅いために同じ量の材を処理するのに時間がかかり、給油のタイミングが増える場面があった。

実際に現場で使ってみると、GZ4350EZは「余裕を持って作業できる」という安心感が際立つ。力強さがありながらも扱いやすく、振動や音の面でも快適さがあるため、長時間の作業でも集中力を維持しやすい。G3650EZは軽快さを求める人には魅力的だが、作業の幅を広げたい場合には物足りなさを感じるだろう。G3700EZはバランス型で初心者にも扱いやすいが、経験を積んでより効率を求める段階になると、GZ4350EZの優位性がはっきりと見えてくる。

総じて、スペック上の数値だけでは見えにくい「体感の差」が確かに存在する。GZ4350EZは排気量の余裕がそのまま作業の快適さにつながり、切断速度や安定感、疲労の少なさといった要素で明確な優位性を示す。実際に使ってみると、単なる数字の比較ではなく、作業者の身体に直接伝わる感覚として違いを実感できる。これらの体験を踏まえると、効率と快適さを両立させたい人にとって、GZ4350EZは非常に魅力的な選択肢となるだろう。

まとめ

最終的に一番心地よく使えたのはGZ4350EZ-16SP_X35。取り回しの良さとレスポンスが自然で、立ち木から玉切りまで一連の作業が途切れずに続けられる感覚がある。加速時の振る舞いが素直で、必要なところだけ刃が伸びるような手応えが気持ちよく、作業後の疲労感が明らかに少ない。冷間始動から温間再始動までのリズムも掴みやすく、現場で「早く次に移りたい」という気持ちに応えてくれるバランスだった。総合点で、迷ったらこれを選べば間違いないと感じる完成度。次点はG3650EZ-25P16。一撃で仕事を進める力強さがあり、太めの材でも腰を据えて臨めば納得の切れ味を引き出せる。重心の置き方にコツが要るが、馴染むと狙ったラインに素直に乗り、チェーンの走りも安定している。長時間の連続作業では少し体に来るが、その分「やった感」が得られるタイプ。最後にG3700EZ-25P16。扱いやすさに振ったまとまりがあり、初動の安心感と作業の見通しが立てやすい。とくに軽快な取り回しは狭い足場や枝払いで強みになる一方、厚みのある材では欲しい瞬間の伸びが一歩控えめに感じる場面があった。それでも全体の信頼感は高く、丁寧に使うほど応えてくれる。総評として、現場での一台に選ぶならGZ4350EZ-16SP_X35がベストチョイス。力強さを重視するならG3650EZ-25P16、軽快なコントロール性を優先するならG3700EZ-25P16がおすすめ。自分の作業スタイルに合わせて、切りたい場面で気持ちよく踏み込めるかを基準に選ぶと、後悔のない一本になる。

引用

https://www.zenoah.com/jp/

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